電力会社はどうやって電気の需給を察知する?

雑記 1


どうもこんばんわ
現代で無くてはならなくなっている電気は、住んでいる地方の管轄電力会社から供給されていることは皆さんご存知かと思います。

電気は発電所から背の高い鉄塔を経由して私たちのところに届けられるわけですが、常に必要分しか発電されていません。
よく「電気は需要と供給のバランスが取れている」と言われていますが、本当に必要分しか発電されていないのです。

でもここで一つの疑問が生まれます。
電力会社は、担当している送電地域の膨大なユーザーからどうやって需要を読み取っているのでしょうか?
急に大口の需要が発生した場合に、常にピッタリしか発電していない発電所は対応できるのはなぜなのでしょうか。

普段あまり気にしたことはなかったけど、言われると「そういえば」って感じで気になりますよね。
ということでなぜ安定して電気を供給することが出来るのか簡単に説明していきたいと思います。

発電所が発電しているのは「交流」

私たちが普段使用する電気には大きく分けて二つの種類があります。
「直流」と「交流」です。

この二つの電気の違いは時間ごとの電圧にあります。
直流は常に一定の電圧で電気が流れており、1秒後も10秒後も常に同じ電圧です。

対して交流は時間ごとの電圧が異なっています。
交流は私たちが認識できないほどの高速で電圧がマイナスからプラスまで変化しており、その変動は-141Vから+141Vまでを行ったり来たりしています。

ここでまた一つ疑問が生まれますよね?
「コンセントから出ている電圧は100Vじゃないの?」
これは別に間違ってはいません。

一般的に言われている100Vは専門的に言うと「実効電流」と言われており、141Vを√2(=1.41421356)で割った電圧なのです。
世間ではこの実効値が交流電圧とされており、一般的に100Vと広まっているわけです。

ちなみに東日本だと1秒間に50回、西日本だと1秒間に60回 -141Vから+141Vを行ったり来たりしています。
これを周波数と言い、西日本だと60Hz、東日本だと50Hzと言われます。
※西日本と東日本で周波数が異なるのは、最初に導入した発電設備が別々のメーカーだからと言われています。

なんでこんなややこしい「交流」で発電しているのかというのは、発電に使用している設備や送電時の事を考えていることが関係しているのですが、ややこしい話になるので今回は省略します。

とりあえず日本の発電所は「交流」で発電しており、地域により周波数が異なるということを覚えておいてください。

周波数を変動させないように発電している

交流で動く電気製品は、先ほど説明した周波数で動くように設計されています。
家電製品の消費電力関係のラベルを見ると「50Hz,60Hz共用」と書かれていたり、「50Hz専用」と書かれていたりします。
単純に100Vの交流電圧が来ていれば良いわけではなく、決まった周波数の電圧でないと家電製品は動かないのです。

例えば交流で動くモーターであれば周波数が変わるともろに回転数が変わります。
回転数が変わると破損の原因にもなる為大問題です。

電圧はもちろんのことですが周波数もとても重要で、常に一定の周波数を保つということが重要です。

よって「周波数が変動しないということ=品質が良い」という式が成り立ち、電力会社は様々な方法で常に周波数を変動させないように発電しています。

電力会社が需要を察知する方法

電力会社は周波数を変動させないように気を使っていることがお分かりいただけたでしょうか?
では逆に何が原因で周波数が変動するのでしょうか?

ここからが電力会社が需要を察知する方法の答えになります。

周波数が変動する理由は、電力の需要と供給のバランスが取れていないということです。
例えば大口の需要が発生した場合は周波数は下がります。

需要 > 供給 = 周波数が下がる

一気に下がるわけではなく0.1とかそこらぐらいですが、電力会社にとっては大きな事です。

サラっと言ってしまいましたが、電力会社が需要を察知する方法は、ズバリ周波数の変動を検知して需給を察知しています。
電力会社は大口の需要によって周波数が下がったことを検知すると、発電量を上げて周波数を戻します。
発電所は常に需要に対応できるようにあらかじめゆとりのある発電しています。

では逆に大口需要が急に無くなり供給過多になった場合はどうなるかというと。。。

需要 < 供給 = 周波数が上がる

こちらも一気に上がるわけではなく下がるときと同様0.いくら単位で上ります。
もちろん周波数が上がっても電力会社的には問題ですから、直ちに発電量を制限します。
発電量を制限して供給を調整することで周波数を安定させているのです。

発電はすぐには止まれない

発電所が需要を察知する方法がわかったところでオマケの話です。

発電所は需給を周波数の変動で察知して発電量を調整してバランスをとっているのですが、その調整幅には限度があります。
例えば需要が大幅に減って供給過多になってしまった場合「発電やめればいいのでは?」と思いますよね。
実は発電を止めることは結構な大ごとで、定期点検以外では電力会社は止めることはほぼありません。

なぜかと言うと、基本的に発電所はいったん発電を停止してしまうと再稼働に時間がかかってしまいます。
日本の発電量の大半を占めている火力発電にしても、原子力発電にしても再稼働にはかなりの手間がかかります。
よって供給量が多いからと言って簡単に発電をやめることは難しいのです。

よって供給を抑制するには発電が止まらない程度のギリギリの出力で発電させ続けなければなりません。
一昔前まではこの方法で全然対応できていたのですが、最近ではそうもいかなくなりました。

再生可能エネルギーが邪魔をしている?

理由は太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの登場です。

ここ最近売電というビジネスモデルが出来上がったことで、大規模な太陽光発電を建設して売電収入を得ようとする会社が大変増えました。
個人でも一軒家の屋根の上に太陽光パネルを設置して、余った電気を電力会社に売って収入を得ているところもあるのではないでしょうか?

再生可能エネルギーは天候によって発電量が変わる為、基本的に調整は難しい発電方法です。
今は大変多くの再生可能エネルギーが電力会社に提供されており、その割合は増えていく一方です。

この状況で供給過多になった場合、火力発電や原子力発電は出力を止まらない程度のギリギリまで出力を絞りますが、再生可能エネルギーは調整が出来ない為どんどん電気が流れてきます。
そうなると供給過多の状況が解消されず、周波数が上がったままになり品質が悪くなってしまいます。
こうなると電力会社はどうするかというと、再生可能エネルギーの受け入れを停止します。
そもそも再生可能エネルギーの供給を絶ってしまうのです。

受け入れを停止することで供給過多の状態が解消され、周波数を一定に保っているのです。

環境の為に再生可能エネルギーのシェアを増やしているのに皮肉なものですよね。