final TYPE E イヤーピースを試す

レビュー記事


先日久しぶりのイヤホンとして【Kinera IDUN】を購入し、実際に聞いたレビューを書きました。

もちろんそのままでの使用でも十分なクオリティを発揮していた【IDUN】
しかしさらなる高みを目指すため、イヤーピースの交換を検討しました。
低反発タイプの製品や細かいディンプル加工が施された製品、複数のフランジを備えた製品などたくさんの種類が販売されています。

その中でも定番中の定番でありながら、評判の良い【final TYPE E(クリア・赤軸)】を購入したので早速試してみたいと思います。

購入したのはクリア(赤軸)

final TYPE Eには様々な色バリエーションが用意されています。

ブラック

ブラウン

ブルーグレー

バイオレット

クリア

クリア(赤軸)

ホワイト

 

以上の7色展開です。
それぞれ色が違うだけかと思うかもしれませんが、実は違います。
色が違うことで耳に直接当たる「傘」の部分の柔らかさが微妙に異なり、遮音性やフィット感に影響すると説明されています。

eイヤホンさんでも検証した記事が公開されており、その中でもやはり色によって音質が変わることが書かれています。


記事内で説明されている色別の音質の変化を簡単に要約すると、「黒系はシリコンが少し硬くなるため、遮音性が増し、低音が強調される。クリア系はシリコンが柔らかい為、遮音性はそこそこだが中高音の解像度が増す」と書かれています。

私が購入した【Kinera IDUN】は 2BA+1DDのハイブリッド構成で、ダイナミックドライバーがあることにより低音が非常に豊かになっています。
しかし、曲によっては低音が出すぎていると感じることもあったため、低音が少し和らぎ中高音が増すクリア(赤軸)を選びました。

クリアとクリア(赤軸)は、傘の部分自体は同じものが使用されている為、違いがないと考えがちですが、eイヤホンさんによると少し変わるようです。
とはいえ視覚性も少し欲しいと考えていたので【クリア(赤軸)】を購入しました。

外観

早速外観から紹介しましょう。

イヤーピース自体はクリア色のケースにあらかじめ収納されており、ALLサイズを購入した為SS、S、M、L、LLの計5サイズのイヤーピースが配置されています。
下段左からSSで上段左からLサイズです。
外径は、SS=10mmから1mmステップで増加していき、最終的にLL=14mmとなります。

下段下に見える赤くて細いパーツは、ステム(イヤーピースをはめる部分)が細いイヤホンの為に用意されたパーツです。
一旦赤いパーツを装着してイヤーピースを装着することで、ステムが細いイヤホンでも装着が可能となっています。
SHUREのSE215などはステムが細い為、このパーツを使わなければ装着できません。

 

ちなみに閉じるとこんな感じ

 

イヤーピース本体

 

Kinera IDUN付属のイヤーピースと比べた写真
少しだけ傘の形が異なるのがおわかりいただけますか?
この傘の形がフィット感を上げる効果に関係しているそうです。

Kinera IDUNに装着してみました。
色味も相まってなにやらアバンギャルドなイヤホンになってしまいました(笑)

 

軸径は少し細めですね。
(赤丸で示した部分が軸径)

 

装着感

装着感は前評判通り良さそうです。
先ほど紹介した傘の形が絶妙なフィット感を生み出しているのでしょう。
また、クリア系ということもありシリコンが柔らかい為、耳を押し広げるような感覚も少なく感じます。

フィット感が良すぎる為か、耳から取る際は「キュポッ」という音も鳴ります(笑)

ちなみに丁度良いサイズのイヤーピースを見極める方法がfinalの公式ページで紹介されていました。

1.  いつものサイズを装着し、しばらく音楽を聴いてみる
2.  いつもより1つ大きいサイズで、挿入の深さやイヤホンの角度を変えながら聴いてみる
3.  いつもより1つ小さいサイズで、挿入の深さやイヤホンの角度を変えながら聴いてみる
4.  試した中で、気に入ったものをしばらく使った後、別のサイズを試してみる
5.  上記を繰り返し、最も聴き疲れしないもの選択する

※音の評価は、短い時間で行うと、それまでとの違いが明確である物を選択しがちです。
長期に渡って良さを感じられるサイズ、装着位置を選択するには、時間をかけて比較してみてください。

引用元:イヤーピース紹介ページ – final公式HP

音の変化

さて気になる音の変化ですが、若干の変化がありました。

高音から中音にかけて少しだけ強調されています。
ボーカルも少しですが近くなった印象を受けました。

ところが低音についてはそこまで変化がなく、少し響きがスッキリしたかどうかというぐらいです。

これらについてはおおむね色別の変化通りというところです。
しかし今回は軸径についても変化がある為、低音の変化はここら辺も関係している可能性があります。
というのも軸径が以前より狭くなった関係上、イヤホンから出た音が軸に当たり反射することで少し減衰するのではないかと考えます。
低音が減衰した結果、「中高音が強調され、ボーカルも近くなったのでは」と考察してみました。

もし機会があれば耳型の模型と計測器を使用して、音域の変化を計測してみたいところです。

遮音性&音漏れ

遮音性に関してはそこまで変化はありませんでした。
むしろ少しだけ悪くなったかもしれません。

IDUN付属のイヤーピースは、finalよりも少し硬めであるため、耳の中でしっかりと膨らみ穴を塞いでいるからではないかと思います。
音漏れに関しても同様で、ほんの少しだけ漏れ量が多くなっているようです。

各々で耳の形は異なる為、あくまで私の一意見と思っていただけると幸いです。

総評

そこまで大きな変化はありませんでしたが、中高音については少しわかる程度の変化はありました。
すこしフラットに寄った音になったので個人的には良しとしています。

しばらく使用した後で、元のイヤーピースに戻すと音の変化が顕著にわかるかもしれませんので、長いスパンで交互に装着して音の変化を感じてみたいと思います。
イヤーピースは他にもたくさんの種類がありますし、価格自体もそこまで高いものではないので、とりあえず購入してじっくり聞き比べることが出来るのは大きいですね。

次はJVCのスパイラルドット辺りを購入してみようかな。

イヤーピース沼に嵌りつつあるのは内緒←