【レビュー】EFFECT AUDIO AresⅡを試す

レビュー記事


評価:7

どうもこんばんわ
先日のDX160に引き続いてまたまたオーディオ製品のレビューです。

しばらくは続きますのでご了承ください(笑)

さてさて今回はイヤホン用のリケーブルとして、ハンドメイドで高級ケーブルメーカーとして有名な【Effect Audio】の【AresⅡ】を購入しました。
リケーブルとは、イヤホンに使用されているケーブルを取り換えることです。
ケーブルを取り換えることで、素材の違いや芯線数の違いで音の変化を楽しむことができます。

EFFECT AUDIOとは

EFFECT AUDIOは、シンガポールに研究開発グループを置くリケーブルメーカーで、2009年に設立されました。
ハンドメイドによる高品質なケーブルを作成することで有名です。
もちろんその分価格は高いですが、値段相応のクオリティを入手することができます。

一般的な家電量販店等で売っているものではない為、入手するにはEFFECT AUDIOの公式サイトから個人で注文して輸入するか、オーディオ機器を専門に取り扱っているお店で購入するしかありません。
ハンドメイド品ということもあり、どうしても入手性が悪くなってしまうのは致し方ないですね。 今回私はイヤホン等専門店の「イーイヤホン」さんで購入しました。

ちなみに

EFFECT AUDIOの公式サイトまたはイーイヤホンのオーダー専用ページでは、プラグ形状やコネクタの種類、また細かいデザインを自分で決めることが出来ます。
イヤホンによっては様々なコネクタが存在する為、出来合い品で使用できるものがない場合は別途オーダーすることが出来ます。

外観

さてAresⅡの外観を紹介していきます。
既製品のパッケージで販売されているわけではないので、以下のような簡素な包装で到着しました。
まぁケーブルなんでそこまで気にしません。

簡素なパッケージ

裏面にはケーブルの仕様が記載されています。
コネクターはMMCXで、プラグは4.4mmのバランスプラグを選択しました。
バランスプラグは、2.5mmと4.4mmの2種類あります。
もし検討される場合は自分が使用しているプレイヤーのジャックを確認してください。
もちろんアンバランスの3.5mmバージョンもラインナップされています。

背面にケーブルの仕様

コネクタ部分です。
コネクタのハウジングもシルバーでメッキ処理されており、耳掛けチューブも装着されています。

MMCXコネクタ―

音質はいかに

早速AresⅡで聞いてみました。
使用したDAPは、先日購入したiBasso AudioのDX160、イヤホンはKINERA IDUN、イヤーピースはfinal Type-eのクリアレッドです。

KISS OF DEATH – 中島 美嘉(FLAC 96khz 24bit)

まずは中島 美嘉さんのKISS OF DEATHを視聴しました。
この曲はhydeさんがプロデュースしたことで話題になった曲ですね。

純銅線ですからやや低音が出るのかなと思いきや、そこまでこってりな低音ではなく一音一音がスッキリとかつ明瞭に聞こえます。
高音については、「サ行」が刺さり気味でしたが、やんわり抑えられ聞きやすくなりました。

サビでハイハットが強調される部分があるのですが、よりはっきりと聞こえるようになりました。
また、バランス接続に変更したことも影響しており、音場が広く左右の分離感が増し、音場が広がりました。

目をつぶればどこから音が来ているのかがわかり、それぞれの楽器の配置が感じ取れるようです。

アジアの海賊 – 坂本 冬美(FLAC 44.1kHz 16bit)

この曲は、演歌で知られる坂本 冬美さんの曲の中でも珍しいアップテンポで迫力のある曲です。
曲中には「鼓」や「三味線」など和楽器も取り入れられています。

現代楽器と和楽器の難しい調和を上手く処理してくれており、ボーカルも綺麗に聞こえてきます。
特に三味線のソロパートでは、まさにそこで演奏しているかのような臨場感を感じました。

以外にも和楽器との相性の良さを発見することが出来た曲です。

評価

音質

 最初はKINERA IDUNに付属してきた8芯の3.5mmアンバランスハイブリッドケーブルでしたから、比べて音場の広さに驚きました。
ここまで横の広がりを感じることが出来るのか…と

 イヤホン自体はそこまで高いものではありませんが、ケーブルを交換しただけで数ランクアップしたような感覚にもなります。

 音の傾向的には思っていたほど低音の押しだしは強くならず、かといって高音が目立つこともないので「やや」低音に寄った程度のイメージです。
ただ4芯ということもあり音の迫力は8芯のKINERA IDUN付属ケーブルに少し軍配が上がります。

個人的には低音がしっかりしていないと曲全体が薄っぺらくなると感じるので、もう少し低音が欲しかったところです。
もしかしたら次はNOBUNAGA Labsの銅ケーブル「辻が花」を購入してみようと思います。

2019/11/25 追記
エージングが進んだのか、AresⅡの純銅線のポテンシャルが発揮されてきました。
思ったように出なかった低音も、豊かで広がりがあり、圧の強い思っていた通りの音が出ました。

取り回し

音質と共に気になるのは取り回しです。
ケーブルの中には非常に硬く、その扱いに非常に苦労することもあります。
その点AresⅡは問題ありません。
柔らかくゴワゴワしない為、扱いに苦労することは少ないでしょう。
同じ形状をキープしているとどうしても型はついてしまいますが、それ以外は全く問題ありません。
耳掛け時も素直に装着できますから好印象です。

また、通勤等で使用される方にとって重要なのが「タッチノイズ」です。
物によってはウォークするだけで許容しがたいノイズが入りますが、AresⅡはそこまでありません。
何回か通勤に使用してみても、ノイズにが気になったことはなく優秀です。

品質

ケーブル自体はハンドメイドで作成されています。
よって同じケーブルでも微妙にコネクタの成端が異なっていたり、みみかけチューブの曲げ半径が異なっていたりとばらつきがあります。

実は一度MMCXコネクタの不良で交換してもらいました。
MMCXにはイヤホンをロックする為の「Cリング」というパーツが装着されているのですが、該当品はコネクタのハウジング内にCリングが埋まってしまっていた為、上手くイヤホンがロックされなかったのです。

不良品自体はハンドメイドでなくても発生しますが、品質のバラツキについてはなかなかどうしようもありません。

交換してもらったものは非常に出来が良かったため、やはり作る人によって個体差が発生しているようです。

総評

なんだかんだ厳しいことも書きましたが、トータルで見れば非常に満足しています。
使用されている素材やプラグ、コネクタ、スプリッタのデザインも気に入ってますし、全体の高級感も所有欲を満たしてくれます。

純銅丸出しの撚線ですから、ビジュアル的にインパクトはありますよ!!

音質は私の目指す音とはいきませんでしたが、確実にランクアップした音を聞けました。
リケーブルに興味がある方は、EFFECT AUDIO入門用として採用してみてはどうでしょう。

2019/11/25 追記
音については私好みの音になりました。
エージングが進んで低音が出てくるようになり、満足するレベルになりました。